アロマオイルの抗ウイルス効果 ~  Anti virus ~

2020年6月27日

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はじめに

Amazonのサイトで、【Antivirus】 という名前のブレンドオイルをみつけました。

【構成】
サイプレス、パイン、ジュニパーベリー、ティートリー、ユーカリ、ラベンサラ

TOMO@北の薬屋®
TOMO@北の薬屋®
こんなあからさまな名前のブレンドオイル名あるんだ

というのがはじめて目にした時の印象でした。

アロマオイルの抗菌・抗ウイルス作用というのは耳にしたことはありましたが、ウイルスって言っても色々あります。

Pubmed検索で、新型コロナウイルスと同様にエンベロープをもつ【インフルエンザウイルス】に対する「エッセンシャルオイル」の抗ウイルス効果についての報告はいくつかあるようだったので、その内容についてみていきたいと思います。

新型コロナウィルスに対するアロマセラピーに関しての学会統一見解(2020/01/31)

幾つかの精油には抗菌作用(抗ウイルス作用)があります。
しかし新型コロナウイルスに直接的な抗ウイルス作用を示したエビデンスは、
当学会が知る限りではありません。
したがって、現時点では、「新型コロナウイルスに精油が有効である」とするには
時期早尚であるとするのが、日本アロマセラピー学会の統一見解です。

一般社団法人 日本アロマセラピー学会のホームページにはこのように書かれています。

J-Stageで検索

単純疱疹ウイルス(HSV)に対する各種エッセンシャルオイルの抗ウイルス効果をみたものですが、「レモングラス」「ユーカリ」「サイプレス」「ジュニパー」などではウイルス増殖を抑えていることがわかります。

今回Amazonで販売されていたものに入っているオイルと比べてみると類似のものがいくつか入っているため、もしかしたらこういったウイルスをターゲットにしたものなのかもしれません。

(引用文献:)メディカル・アロマセラピー,日本補完代替医療学会誌,2004年 1 巻 1 号 53-61

Pubmed検索で出てくるエッセンシャルオイル

ザタリア・マルチフローラ(おそらく日本では販売なし)

レモンバーム(メリッサ) (学名:メリッサ オフィシナリス)

メントン , プレゴン (ペパーミント)

ティートリー (学名:メラルーカアルテルニフォリア)

ザタリア・マルチフローラ

H9N2鶏インフルエンザ感染若鶏に、

ザタリア・マルチフローラを実験の7日前から

感染後から、ザタリア・マルチフローラ、アマンタジン それぞれを投与し、コントロール群と比較してそれぞれ腸と気管の両方でのウイルス複製の減少を示しています。アブストラクトのみだったので、精油とアマンタジンの間の比較、差はわかりませんでしたが、効果はあるようです。

引用文献:Br Poult Sci. 2018 Aug;59(4):389-395.(PMID: 29768944)

レモンバーム

A:感染前の段階でオイル添加 B:感染後の段階でオイルを添加 C:オイルとウイルスを同時に添加
D:オセルタミビル。

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H9N2鳥インフルエンザに対して、TCID50(50% Tissue Culture Infectious Dose:宿主細胞のうち半分がウイルスに感染した時のウイルスの濃度)で比較

感染前に添加されたレモンバームは、直接作用により抗ウイルス効果を示したと推察されています。また、オセルタミビルとの併用効果についても検討されていて、オセルタミビルの濃度が低下した状態での併用でその効果が認められたという結果になっています。レモンバームの濃度については濃度が高いほど効果は強いようですが、感染後の添加では、0.1%以上で頭打ちになっています。抗ウイルス効果の機序についてはまだ不明な部分が多いようです。

メントン , プレゴン (ペパーミント)

マウスのH1N1に対する各種オイルの効果をHA(赤血球凝集反応)で評価したもの。メントン、プレゴンを投与するとHAは大幅に低下し抗ウイルス効果を示していますが、予防効果はあまりなかったとの結論になっています。その作用には、血清濃度の増加が認められた、IFNαβ、IL-2などが関与している可能性が示唆されています。

Zhongguo Zhong Yao Za Zhi. 013 Jun;38(11):1772-7.(PMID: 24010294)

ペパーミントオイルの一般的な化学組成
メントール(40.0%)、メントン(18.7%)、1,8-シネオール(7.3%)、酢酸メチル(3.8%)、
メントフラン(3.0%)、イソメントン(2.5%)、リモネン(2.5%)、β-ピネン(1.8%)、
α-ピネン(1.4%)、ゲルマクレン-D(1.3%)、トランス-サビネン水和物(1.0%)、プ
レゴン(0.8%)

ティートリー

インフルエンザウイルスを感染させた細胞の細胞生存率でその効果を判定

高濃度では、細胞生存率が低下しており、感染細胞に対する抗ウイルス効果が認められています。また、その作用機序についても触れられていて、ティートリーの生理活性物質がウイルス膜融合手順を妨害することにより、インフルエンザ ウイルスが宿主細胞に入ることを防ぐことが推察されています。

Molecules. 2013 Aug 9;18(8):9550-66.(PMID: 23966077)

ほか、同じようにティートリー(0.01%)を感染後2時間以内に投与した場合、ウイルス増殖(ウイルス複製)を抑制したとの報告もあります。

Antiviral Res. 2011 Jan;89(1):83-8.(PMID: 21095205)

ネット上の検索では

「芳香暴露実験によって、ティートリー、ラヴィンツァラ(ラベンサラ)、ユーカリ・ラディアタの3種の精油にインフルエンザウイルスの増殖抑制効果がある。」(参照:https://gardenstory.jp/lifestyle/40310

だいたいのサイトで、この3つが検索で出てきます。

検索をまとめると

検索をまとめると、インフルエンザウイルスに有効と言われているのは

①ティートリー

②レモンバーム

③ペパーミント

④ユーカリ

ラヴィンサラ

などがあるのかなという感じです。いずれも、予想されている機序として直接作用によるウイルス複製を抑制するというものなので、細胞侵入前にウイルスと直接接触する可能性のある「マスクへの噴霧・塗布」「皮膚への塗布」などが有効なのかなという印象です。文献の内容では濃度が高いほど効果的となっていたので、薄めた場合の効果は限定的かもしれません。

アロマオイルの選定

よくみると、最初に載せた【アンチウイルス】という名前のブレンドオイルの組成

サイプレス
パイン
ジュニパーベリー
ティートリー
ユーカリ
ラベンダー

2つ抗ウイルス効果があると言われているオイルが入っています。サイプレスやラベンダーも類似の作用があり、パイン、ジュニパーベリーは香りづけで足されてるのかな?という印象です。

Amazonで購入したこいつが届きました。

匂いはほとんどティートリーに支配されている感じで、森林の木の香りがします。

今度はこれでマスクスプレーを作って実際に使用してみたいと思います。

さいごに

あとは、使用方法になるのでアロマ担当者と相談して考えていきたいと思います。

実際に使用方法が決まったらまた更新したいと思います。

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